主権を守るには、他を圧倒できる武力が必要であるのは歴史が証明している。平和を確立するために不可欠なのが武力だ。国の平和と安定を望むなら、国防の技術開発を推進し続けなければならないだろう。予算を削減し、後退させるなど言語道断である。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23年(2011)5月17日(火曜日)通巻第3330号 を転載
中国の軍事力の肥大化に対応するには空母搭載の無人攻撃機が必要
無人で50時間―100時間飛べる爆撃機を米海軍が開発、数年後に配備へ
米海軍は空母搭載の無人機を本格的に開発する。
プロットタイプの実験はすでに陸上では終了しており、主契約企業はマーチン・グラマン。
これはX47B.膨大な開発予算が投じられたが、ひきつづき予算がみとめられそうにないので米空軍は開発を断念、今後は海軍の開発に集中することになった。
米海軍幹部は「これは中国の軍事力だけを対象としてはいない」(スコット・バン・バスカーク太平洋艦隊司令官。副提督)と語っている(ヘラルドトリビューン、5月17日)。
しかし、無人機搭載空母を太平洋に配備するとなると、中国以外に軍事的脅威は存在しない。
中国はすでに空母攻撃ミサイル(DF21D)を配備した、とされる。
この中国が自慢する空母攻撃ミサイルは射程1500キロ。米空母搭載の戦闘機は航続距離が900キロ。
つまり現段階で空母を保有しない中国も、陸上発射型ミサイルで米空母を遙か遠くから攻撃できるとなれば、米軍はあらたに無人攻撃機(航続距離3000キロ)の開発が喫緊事となったのである。