佐々淳行ホームページから転載

今回の大地震について(2011.3.16)

今回の震災で被災されました方たちには、心より御見舞い申し上ます。

不幸にも犠牲となられてしまいました方には、心よりご冥福をお祈りいたします。
避難生活をお送りの方には、苦しい毎日でしょうが、必ず日は昇りますので、気持ちを強く持って、頑張っていただきたいと思います。

また、私は、以下の緊急提言をいたします。

序――福島原発の爆発事故の可能性が高まっている。

菅内閣は、国民と共に、一喜一憂することなく、速やかに次のごとき国家危機管理の諸施策を緊急実施すべし。

1.警察法第71条、第72条の「緊急事態の布告」を行い、大余震や大津波の再発、福島原発の爆発という最悪の事態に備え、全国24万全警察官を総理大臣が掌握する要あり。(自衛隊は総理が総司令官だが、消防法には総理の名はなく、全国1308市町村首長が指揮権を持っている。警察官は47都道府県公安委の指揮)

何十万人という国民の避難誘導は、「国民保護法」の初適用となり、その準備は急務である。

2.「10万の自衛隊」というが、陸路では現地到着は困難であり、空と海の活用が急務。
空は、民間ヘリのボランティア認可(民間への着陸許可が遅い)、ドクター救命ヘリの国費による動員を。
海は、沿岸フェリー、漁船など、民間船舶をチャーターし、第二次大戦のダンケルク撤退作戦の「ダイナモ作戦」を実行せよ。

3.国民は不安に陥り、石油ショックの如き食糧・日用品・防災用具の買い出しに走りパニックが始まっており、ガソリンが不足している。
「緊急災害対策本部」は「経済戒厳令」とよばれるほど、企業の金儲け主義の物資隠匿、売り惜しみを取り締まる非常大権を総理に与えている。
物価の統制、流通促進の大号令を発せよ。

4.「学童疎開」(戦時中の「集団疎開」)の準備をすすめよ。
父兄の間に「関西への子ども避難」の動きもあり、在日外国人、アメリカ大使館員の妻子などは本国や関西への避難も始まっている由。
輿石東氏(日教組)は学童疎開、春休みの延長など、児童保護について発言せよ。

5.内外のボランティアを「国家勤労奉仕隊」の国が編成し、職能に応じて医療・輸送・介護などに組織化し、国費で運用せよ。
ボランティア担当の「政治主導」や、蓮舫氏も辻元清美氏も不適任。
ボランティア諸団体代表により、互選または指名させよ(阪神大震災の教訓)。

6.自警団の編成をせよ。
過疎地帯であったところで、消防団・青年団など、若者の「自警団」を編成させ、暗数となりやすいセクハラや婦女暴行を未然に防止せよ(阪神大震災の教訓)。
老人婦女子は、男が守れ(自助互助を)。

7.予備費の現金を、応援部隊に至急配分せよ。
現在は隊員が手弁当で活動中である。
警察部隊などへの燃料優先配分を行うべし。

8.外務大臣の任務
新外務大臣は、知名度・面識率ゼロに近い。
テレビ記者会見に出て、米英中など56カ国に間断なく謝辞を述べよ。
京都の中国使節団の会議後の観光など、相手が遠慮しているのに行うとは非常識である。

9.イベントの中止延期
政府関係のイベント、会議、行事は、中止または延期を早めに決定し、関係者の混乱を防げ。
不要不急の行事は政府から中止又は延期せよ。

10.国民の忍耐力には驚嘆すべきものがある。
生活必需物資・燃料などの「買いだめ禁止」を消費者に求めず、事業者に「売りおしみ禁止」を求めよ。
国民の「被統治能力(ガヴァナビリティ)」は、賞讃すべきレベルの高さであり、略奪も暴動もデモもない。
反省すべきは「統治能力(ガヴァナンス)」の欠如である。
国民の忍耐力にも限度があり、「デマを流すな」「買いだめするな」の前に国民に能率的に必要物資を流通させよ。

11.予備自衛官の召集より、危機管理経験に富む官僚OBを召集せよ。
阪神大震災、東海村JCO事故などの大災害を処理し他官僚OB(的場順三、志方俊之、岡本行夫、小川和久、国松孝次、堀貞行各氏など)を、三顧の礼を以て予備役召集し、意見を聞け。
無能無経験不勉強の政務官や官邸官僚が何十人集まっても、無能は無能である。
「政治主導」だの「官僚排除」という依怙地の菅、仙石氏らの偏見は、死者の数を増やす。

12.広報
法律上、国家危機管理の責任閣僚である枝野官房長官が、早朝から深夜までテレビ記者会見に専念しているのは誤り。
内閣広報官、危機管理監にまかせ、官房長官会見は1日2回と決めるなどして、官房長官は国家危機管理の統括指揮にあたれ。