利益を上げる会社と賠償責任を負う会社を分離して、それぞれを円滑に進めていくことを目標にしている。被害者からの期待もかかったことだが、過去の経緯に鑑みても予断はできない。一地方の問題ではなく、同じ法律の及ぶ範囲内に暮らすものとして、自分のこととして関心を持ち続けたい。

くまにちコム
チッソ新会社名「JNC」 分社化できょう設立 2011年01月12日を転載

水俣病の原因企業チッソは11日、水俣病特別措置法に基づく事業再編(分社化)で、同社の事業を引き継ぐ新会社を12日に設立、社名を「JNC株式会社」とすると発表した。チッソは11日開いた取締役会で、新会社の設立や社名を決定。12日に東京法務局に登記を申請する。

JNCは資本金1億5千万円で、チッソの全額出資。本社はチッソと同じ東京都千代田区大手町の新大手町ビル内に置く。代表取締役はチッソの後藤舜吉会長と岡田俊一社長。JNCのJは「JAPAN(日本)」、Nは「NEW(新)」、Cは「CHISSO(チッソ)」を表すという。

昨年12月に松本龍環境相の認可を受けた事業再編計画によると、チッソは全事業の営業権や資産を、新たに設立する事業会社(JNC)に譲渡。100%子会社となるJNCからの配当により、認定患者への補償や未認定患者への一時金支給、公的債務返済を担う。チッソは、JNC設立後、速やかに大阪地裁に事業譲渡の許可を申請。許可が下りれば、3月にも譲渡を終え、4月1日に新会社での営業を開始したい考え。

新会社設立日となる1月12日は、1906年にチッソが曾木電気として発足したのと同じ日付。チッソの後藤会長は昨年12月、新会社設立について「1月12日がチッソが発足した日。その辺をめどに、と思っている」と話していた。(楠本佳奈子)