産経ニュースを転載

菅主導?尖閣沖で日本漁船に執拗な“嫌がらせ”検査

沖縄・尖閣諸島沖の日本領海でカジキ漁をしていた与那国町漁協所属の日本漁船が20、21日と、海上保安庁の執拗な立ち入り検査や事情聴取を受けていたことが分かった。尖閣周辺での操業と、漁船に中国の無法行為を批判する垂れ幕を掲げていたことなどで目をつけられたとみられる。中国漁船衝突事件で、菅直人政権は弱腰外交を露呈したが、今回も、その一環なのか。(夕刊フジ)

漁協関係者によると、立ち入り検査を受けたのは「早希丸」。20日午前7時ごろから、尖閣・魚釣島近海でカジキやマグロのトローリング漁をしていたという。
同海域は日本領海だが、国や県、海保などには日本漁船の接近を歓迎しない空気がある一方、中国の密漁船などが無法行為を繰り返していることで知られる。

このため、同船は「日本領海で日本漁船が漁をできないのはおかしい」と判断。「強盗中国我々の領土を荒らすな」という垂れ幕を掲げて操業していた。

すると、同日昼ごろ、巡視船「みずき」など海保の艦船2隻が近づき、海上で約2時間にわたって立ち入り検査や事情聴取が行われた。

さらに、海保艦船が伴走するなど、事実上の連行のような形で与那国島に帰港。同日夕から、再び事情聴取が行なわれ、21日もほぼ一日中、事情聴取と船の検査が行われたという。

同船関係者は「尖閣まで漁に行くと約10万円の燃料代がかかる。執拗な立ち入り検査は営業妨害。垂れ幕を掲げることが、なぜ問題なのか。嫌がらせとしかいいようがない」と立腹する。

ちなみに、巡視船「みずき」は今年9月、中国漁船の体当たりを受けた船である。

現地で取材を進めているフォトジャーナリストの山本皓一氏は「地元の漁師らは『尖閣沖が中国漁船に漁場を荒らされる』『中国に尖閣を奪われかねない』という危機感を持っている。今回の海保の対応は異常。菅政権の意向が影響しているのか。日本として尖閣の実効支配を強めなければ、中国にどんどん浸食されかねない」と語る。

漁船衝突事件で、菅政権の弱腰外交は世界中で嘲笑の対象になった。今回の背景は何なのか。

夕刊フジの取材に対し、第11管区海上保安本部は「日本領海で日本漁船が漁をすることは、特に問題はない。どこの海域でも『書類が整っているか』『漁師以外の人間が乗っていないか』を調べるのは通常の任務。最近、尖閣諸島への上陸もあったため、立ち入り検査した」と語っている。

それにしては…と感じるのは、夕刊フジだけではないだろう。