2008年から2年間、フランス軍人としてアフリカのジブチ共和国に駐留していた日本人兵士が当時を振り返り、ジブチの人々が日本の自衛隊に寄せている思いをfacebookで語った。
7日アフリカ東部ジブチで、ソマリア沖の海賊対策に当たる自衛隊が本格的拠点施設を建設し注目されているが、そこに至るまでの経緯に関し、地元ジブチ人が日本の自衛隊に対してどのような印象を持っているか、興味深い情報である。
以下、その内容を要約する。
ソマリアの海賊問題で自衛隊が2009年からジブチに駐留するようになりました。私は、自衛隊とフランス軍との間の通訳として、フランス軍兵士として動きました。
その中で、私はジブチ人とも多く話しました。
フランス軍ではジブチ人軍属をあくまでもアフリカ人としてしか扱わず、人間として扱うことは決してしません。しかし日本の自衛隊はジブチ人軍属を同じ仲間として迎えます。
もっと具体的な話をします。
ジブチのジブチ人はフランス人を呼ぶときは「シェフ」と呼びます。これはジブチ人フランス軍軍属がフランス軍人に対して言うだけではなく、幅広く、普通のジブチ人が普通のフランス人に対してごく一般的に「シェフ」と呼びます。
これは昔からで、「シェフ」つまり旦那様といった意味に近いわけですが、もうどうしようもなく根付いていますし、フランス人側もそれが当たり前になっています。
フランスはジブチ独立後もジブチに君臨し支配しています。これは何もジブチに限らず、チャド、コートジボワール、ガボン、トーゴなど所謂旧植民地はまだこの感覚から抜け出ていません。
勿論、フランス人の中にも「シェフ」と呼ばれるのを良しとせずにジブチ人と一緒にわいわいやっていこうとする人も多数いますが、一般的にはいまだにフランスはジブチの支配者です。
ジブチの地理的特性に目をつけたアメリカがジブチに巨大な基地を建設しました。勿論ジブチ人を大量に雇用したようですが、軍属は軍属、フランス軍と同じく、軍属は命令し使役します。
そこへ日本の自衛隊がジブチにやってきました。最初は少数のジブチ人を雇用したのですが、待遇の良さが噂となり、何人ものジブチ人のフランス軍軍属から「自衛隊で働けるよう口を利いてくれ」と言われました。
ジブチ人に言わせると。自衛隊は米軍よりかは給料は安いが、フランス軍よりかは高い。ただ自衛隊はちゃんと人間として扱ってくれるからどうしても自衛隊で働きたい、ということでした。
フランス軍でも、米軍でも現地人は現地人として使役に使います。勿論給料は払っていますから一概に奴隷状態であると言うわけではありませんが、我々は彼らに対し命令するだけで、言うことを聞かなければ、しかるべき部署を通じて簡単に首を切ります。
そしてジブチ人が言うには自衛官に対し「シェフ」だとか「マスター」だとか言って気を使う必要がないから良いとも言っていました。
自衛隊に限らず私たち日本人は、他国の人間に対して命令し使役に使うという発想も経験もありませんし、そういう概念も持ち合わせていません。
自衛隊は、ジブチ人と付き合っていく上で何らかの特別な訓練を受けたわけでもなく、ごく普通に一般的に自然に接しているようで、それがジブチ人にとっては非常に嬉しいということでした。
私はフランス軍軍人として、其の上で言います。
自衛隊は本当に素晴らしく、本当の意味で人種差別をなくした組織であります。
こういう組織が未だかつてあったか?それは大日本帝国陸軍であります。
以上
東日本大震災では未だに自衛隊による作業が続けられ、その間にも国境沿いでは主権を侵害されかねない他国からの干渉があり、自衛隊への期待は大きくなるばかりである。また、日本の貿易を守るための海賊対策として、アフリカまで派遣されている。結果としてその地域への貢献活動につながるが、それを支えて支援していくのは政府である。日本人として、誇りある自衛隊への支援を怠ることなく、政府の自衛隊への対応を注視したい。