「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23年(2011)6月8日(水曜日)通巻第3344号 を転載
イェーメン大統領、どうやら再起不能
チュニジア、エジプトにつぐ「アラブの春」はサヌアに着地か
米軍関係者が明らかにした情報では、3日に銃撃されサウジアラビアの病院に担ぎ込まれたサレハ大統領は、重傷だった。全身の四割のやけどをしているという(CNN,6月7日)。
南北対立に加え、首都サヌアの北方、サウジアラビアとの国境付近にアルカィーダの秘密基地がある。地政学的に重要なイェーメンは、シバの女王伝説もある、歴史の古い國である。
米国が現体制を支援してきたのも、そうした理由だが、反政府テロリズムの嵐を前に、事実上、サレハ大統領はサウジへ病気治療という名目の亡命となった。