「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23年(2011)4月8日(金曜日)通巻第3296号 を転載

新潟のど真ん中を中国総領事館へ売却は市民の反対で断念へ
次は名古屋。一等地を中国領事館へ売却する話はまだ有効である

新潟市のど真ん中、万代小跡地を中国総領事館へ売却するという親中派の動きがとまった。
在新潟中国総領事館の移転候補地となった新潟市中央区の万代小学校跡地の売却は、新潟市長が積極的に進めていた。

領事館ということは、新潟市内のど真ん中に「治外法権」の広大な土地が出来るということである。これに反対する市議らが中心となって反対の署名活動が拡がっていた。昨秋九月、尖閣諸島での中国漁船の狼藉事件は、日本中に反中国ムードを高めた。

今次、東日本大震災では東北六県から三千人から四千人の中国人が新潟市の避難センターなどへ押し寄せ、そのあまりの傍若無人に怒りをかっていた。
かれらは避難所と新潟空港ロビィをゴミの山にして、チャーター便などで中国へ帰国した。

中国大使館と新潟の領事館が手分けし、岩手、宮城、秋田、青森に在住する中国人によびかけバスをチャーターして新潟へあつめ、日本海ルートを手配した。また福島、茨城在住の中国人には成田へのバスが手配された。成田空港も一時は三千人がロビィに屯した。
こうした動きが新潟市議会を動かした。

3月31日、ついに新潟市は総領事館側への跡地売却を断念する方針を決めた。これは小学校跡地売却に対して新潟市議会が、地元住民や市民団体が提出した「中国総領事館への売却に反対する請願」を採択したため。
法的強制力はないが、篠田昭市長は「売却は極めて困難な状況になった」と事実上の断念に到った。

跡地の公共利用を望んでいた周辺住民からは「売却反対という地元の意思が受け止められた」とする声が上がった。

次は名古屋。名古屋城に近い一等地を中国領事館が購入する動きは、依然としてある。

 
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