産経ニューストピック:放射能漏れ 2011.3.19 を転載

放射能検出の生鮮品「影響ないレベル」専門家、過剰反応戒める

設定された放射能の暫定基準値を超える放射能が19日、生鮮品から検出された。専門家からは、「仮に出荷され、口に入ったとしても、人体に全く影響のない数値」として、過剰な反応をしないよう呼びかける声があがっている。

厚生労働省の発表では今回検出された放射性物質で最も高かったのは、茨城県高萩市のホウレンソウから検出されたヨウ素で、1キロあたり1万5020ベクレル。

放射線医学総合研究所(千葉市)の吉田聡・環境放射線影響研究グループリーダーによると、このホウレンソウの数値を人体への影響を示す単位である「シーベルト」に換算した場合、0・24ミリシーベルトになる。

人体に影響があるのは一度に100ミリシーベルトを受けたときとされており、小鉢一人前のホウレンソウを100グラムと仮定すると、今回のホウレンソウは4200人分を口にしないと人体に影響を及ぼさない計算になる。

吉田リーダーは「妊婦や子供など、放射性物質の影響が大きいとされる人たちについても、摂取しても問題がないレベルだ」と冷静な対応を呼び掛けている。

同様に、ホウレンソウから検出されたセシウム524ベクレルを、シーベルトに換算すると0.0068ミリシーベルトになるという。吉田リーダーは「この程度が人体に入っても、まったく影響はないと考えていい」と話す。

環境放射能・放射線に関する分析専門機関「日本分析センター」(同)の森本隆夫理事は「空から降ってきた放射性物質は、水で洗えば落とすことができる。水洗いをして食べれば、ほとんどが落ちてしまうだろう」と指摘。

吉田リーダーは、「放射性物質がついているかもと気に病み、偏食になる方が体に悪い」と話している。