令和4年10月16日午後、岐阜県岐阜市において赤羽潤氏を講師に「知覧特攻の母、鳥濱トメと特攻隊」と題する講演会が行われる。

2022.10.16岐阜講演チラシ表
戦時中、鹿児島県知覧町に陸軍飛行学校知覧分教場が開校し、地元の「富屋食堂」が陸軍指定食堂に指定された。戦争末期にこの飛行場は特別攻撃隊の出撃基地となり、多くの若い特攻隊員たちは出撃前のわずかな日々をこの食堂を営む鳥濱トメやその家族たちと過ごした。鳥濱トメは彼らの出撃を見送るたびに、遺されたご遺族に出撃の様子を手紙で伝え続け、いつしか”特攻の母”と呼ばれるようになっていました。
「学校では教わらない日本人の物語」をぜひお聞きください。

講師プロフィール
赤羽 潤(鳥濱トメ・孫)

赤羽 潤(鳥濱トメ・孫)昭和42年東京生まれ 鳥濱トメの次女・礼子の次男。
2歳から高校まで知覧町にて鳥濱トメのもとで過ごし、幼少のころよりトメから特攻隊員の様々なエピソードを聞いて育つ。昭和40年代はじめ、母の礼子は東京新宿に鹿児島郷土料理店「薩摩おごじょ」を開店。母亡き後、その店を切り盛りしながら、祖母トメや母の意思を受け継いで「鳥濱トメと特攻隊」と題し、真実を伝える語り部として精力的に活動している。

詳 細
日時 令和4年10月16日(日)開場13:00 開演14:00
会場 岐阜市文化センター展示室
〒500-8842 岐阜県岐阜市金町5丁目7番地2
交通アクセス
参加費 入場料2,000円 ※小中学生無料
申込先 下記のリンクからお申込みが出来ます。
https://docs.google.com/…/1ndQoEsPeofVTbh6h1Ph5…/edit…
先着120名様まで
主催 桜嵐会(おうらんかい)/代表:大野ゆうじ tel:080-3641-3231
特定非営利活動法人 知覧特攻の母鳥濱トメ顕彰会
事務局長 平野 勝也
〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-37-2-202
(TEL)03-5431-1752(FAX)03-5431-1751

【資料】 鳥濱トメとは

鳥濱トメと特攻隊

「わたしはねぇ、あん子らの
      お母さんになりたかったのよ」
               鳥濱トメ

鳥濱トメとは

昭和4年、鹿児島県知覧町にて「富屋食堂」を開店。昭和16年に大東亜戦争が開戦し知覧に飛行場が完成すると、およそ二週間後には「大刀洗陸軍飛行学校知覧分教場」が誕生。翌年、「富屋食堂」が陸軍指定食堂に指定されると、気さくで明るい鳥濱トメのもとには多くの若い兵士が連日詰めかけるようになっていました。

しかし戦争末期には沖縄防衛の為の特別攻撃隊の出撃基地となり、全国から若い隊員が集められることになります。特攻隊員たちは出撃前のわずかな日々をトメや娘の美阿子、礼子らと過ごしましたが、親元や親族等へ給金などのお金を送っており、手元にはほとんどお金がありませんでした。それでも、彼らに食べたいものを食べさせるため、トメは私財を投げ打って食材を求め、深い愛情を持って尽くしました。そして、彼らの出撃を見送るたびに、遺されたご遺族に出撃の様子を手紙で伝え続けたのです。そうして、いつしか”特攻の母”と呼ばれるようになっていました。

戦争が終わるとトメは飛行場跡地に墓標代わりに棒杭を立てて、出撃していった特攻隊員を想い、トメの二人の娘たちとともに毎日そこで手を合わせるようになりました。その度に「あの子らのための観音様を知覧にお祀りしたい」と強く願い、かつてトメの恩師であった知覧町長に観音堂の建立を再三にわたって働きかけ、陸海軍の特攻平和観音像が鎮座する東京の寺院「世田谷観音」にも足を運ぶなど、奔走しました。

気が付けば終戦から10年、ついに念願であった特攻隊員をお祀りするための観音堂が飛行場跡地に建立され、参拝がトメの新しいライフワークとなりました。晩年に脚を悪くしたトメは左手で杖をつき、右手には隊員に手向ける花と線香を持って観音堂に通っていたため、雨や雪の日には傘が差せず、高齢のトメにとって文字通り「命懸け」の参拝となっていました。しかし、トメは亡くなるほんの数年前に一人で出歩けなくなるまで参拝を続け、平成4年4月22日に特攻隊員のもとへ旅立ちました。享年89の大往生でした。トメの次女・礼子は、戦争中に「なでしこ隊」として特攻隊員の身の回りのお世話をし、戦後はその真実を伝える語り部として、礼子も亡くなる直前まで伝え続けました。

そして、トメの孫にあたる赤羽潤もトメと母・礼子の遺志を受け継ぎ、全国各地で講演活動を行っています。

鳥濱トメとは鳥濱トメと特攻隊員の物語は、高倉健主演「ホタル」や故・石原慎太郎元東京都知事の脚本「僕は君のためにこそ死ににいく」で映画化。カートインターテイメント制作映画「さつまおごじょ」(オムニバス作品「大河巡る」収録)や、同社企画・制作舞台「帰って来た蛍」など、多くの舞台演劇でも伝え継がれています。

特定非営利活動法人 知覧特攻の母鳥濱トメ顕彰会