「後悔はしていない」という言葉が印象的だった。そして安心した。強い意志に基づいての行動だったのだ。責任を負うべきは政府首脳である。たのもしい公務員を一人失った、国家国民は多大な損害をこうむった。職務に忠実な一職員が、意を決して規律違反を犯してまで国家に尽くしたのだ。厳罰を下してもいいが、恩赦をもって名誉を守ることはできただろう。
それにしても未だに明らかにされていない重要なことがある。
Youtubeに投稿した際につかわれた「sengoku38」というハンドルネームの由来だ。なぜ「sengoku38」なのか、当初からそれが気になって仕方なかった。もちろん官房長官への思いがあるのだろうが、はっきりと聞きたいところだ。それによって世論はさらに一色正春氏へ傾斜するだろう。今の彼にとっての支えは国民世論だ。本の出版でもして、一連の流れの中での思いを綴ってほしい。
神戸新聞を転載
保安官「後悔していない」 尖閣ビデオ流出海保処分
映像流出にかかわった神戸海上保安部の一色正春海上保安官は神戸新聞社の取材に対し、映像投稿について「後悔はしていない。私の考えていることは捜査側から、いずれ(世間に)出てくるでしょう」と語った。
今月17日に提出した辞職届は処分を受けた後、その場で受理されており、今後は「無職になるので仕事を探さないといけない」と生活への不安も漏らした。一方で「公務員を辞めたからといって何でも簡単に話せるわけではない。言いたくても言えないこともある」と複雑な心境も口にした。
保安官は11月21日付で巡視艇「うらなみ」の主任航海士から待機要員である「予備員」に配置換えとなったが、流出関与を告白した同10日以降、2日間出勤しただけで年次休暇を取っていた。
この日は検察の事情聴取を受けた後、午後3時すぎに自転車に乗って神戸海保に出勤。同4時半ごろ、第5管区海上保安本部の大島啓太郎本部長から停職12カ月の処分書を受け取り、その足で神戸海保の樋口由幸部長のもとへ行き、「ご迷惑をおかけしました」と謝罪したという。
(風斗雅博、前川茂之)