ヤーグラン・ノーベル賞委員会委員長のノーベル平和賞授賞式での演説の要旨は次の通り。

 一、受賞者が今日、ここにいないことを残念に思う。彼は中国東北部で投獄されている。夫人や近い親戚も出席できないため、今日、メダルや賞状は贈呈されない。

 一、この事実だけでも、授賞が必要であり、適切だったことを示している。今年のノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏を祝福する。

 一、天安門事件の犠牲者に平和賞をささげたいという劉氏の望みをかなえることはわれわれの喜びだ。

 一、13億の人口を持つ中国は人類の運命を背負っているともいえる。中国が人権を完全に保障し社会主義経済を発展させることができれば世界にとって大きな好ましい影響がある。失敗すれば逆の結果になる。

 一、中国の(大国としての)新しい地位はより重い責任を伴う。中国は批判を覚悟し、改善の好機として前向きに捉えなければならない。

 一、自国の統治の在り方について考えを表明しただけで11年の懲役を科す必要があるのかということが問われている。

 一、人権は国家や国家の多数派の行動を制限する。これはすべての国連加盟国、世界人権宣言採択国に適用されなければならない。中国は国連などの人権に関する国際条約に署名、批准さえしている。

 一、中国の憲法は基本的人権を保障している。劉氏は自分の権利を行使しただけだ。何も悪いことはしておらず、釈放されなければならない。

 一、中国の民主活動家らは国際秩序の擁護者であり、グローバル社会の共通の価値観の代表者だ。反体制派ではない。

 一、ノーベル賞委員会はいま一度、われわれすべてのために闘う人を支援するために受賞者を選んだ。

 一、劉氏の考えは長期的に中国を強くする。劉氏と中国の今後に祝福を願う。

 
 
転載元:47ニュース
ノーベル賞委員会委員長演説要旨