水俣の教訓を真剣に考えるアフリカの研究者たち。「資金力のないアフリカの国で公害が起こると取り返しがつかない。未然に防ぐことが大事だ」という。
戦後復興に邁進したなかで発生し、隠蔽されながら拡大した水俣問題。日本では時間の流れと共に関心が薄れていくが、世界の人々はこの教訓を学ぼうとしている。日本人として、いま一度、この問題にしっかり向き合う風土を養うべきではないか。そうした強い意識があれば、福島の風評被害も未然に防げたはずだ。

くまにちコム 2013年07月05日 を転載

水俣病の教訓、アフリカへ 留学生ら水俣市訪問

アフリカからの留学生らが5日、水俣市の水俣病資料館や患者多発地区を訪れ、水俣病の教訓を学んだ。県ユニセフ協会などでつくる実行委員会が毎年開く「アフリカの子どもの日in Kumamoto」の一つ。

チャールズ・ムリガンデ駐日ルワンダ大使夫妻や各国の留学生ら約50人が参加した。

一行は熊本学園大水俣学研究センターの研究員らの案内で同館を見学。患者の発生状況や行政の対応、胎児性患者の存在などの説明を受けた。かつて患者が多発した茂道地区の漁港も訪問。参加者は「利益だけを追求する開発は決してしてはならない」と聞き、深くうなづいていた。

京都大で農業を研究するセネガルのパパ・サリウ・サールさん(36)は「資金力のないアフリカの国で公害が起こると取り返しがつかない。未然に防ぐことが大事だ」と話した。

その後、芦北町の県立あしきた青少年の家で、水銀に関する水俣条約に関する講演も聞いた。6~7日は熊本市で分科会や交流会がある。(辻尚宏)

 


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