世界の流れに反発してつくられた中国の「孔子平和賞」。第一回目は台湾の連戦に無視され、こんどはロシアのプーチン首相に授与するという。それに対してプーチンはノーコメントだ。中国からの平和賞が、政治的にどれだけ迷惑なのかを証明している。

レコードチャイナ
2011年11月18日を転載

中国が「孔子平和賞」をプーチン首相に、本人は無言、党は「一文の価値もない」―米メディア

2011年11月16日、中国版ノーベル平和賞「孔子平和賞」を受賞したロシアのプーチン首相がノーコメントを貫いている。米ボイス・オブ・アメリカの中国語版ウェブサイトが伝えた。

昨年、中国の民主活動家・劉暁波(リウ・シアオボー)氏がノーベル平和賞を受賞したことに対抗し、中国が独自に設立した「孔子平和賞」。中国文化部の下部組織が主催し、台湾の連戦(リエン・ジャン)元副総統が初代受賞者に。第2回の主催は香港の団体に引き継がれ、ドイツのメルケル首相や南アフリカのズマ大統領ら7人のそうそうたる候補者を抑え、プーチン首相の受賞が決定したことが15日、発表された。12月9日に授賞式が行われるという。

だが、これに対するロシア側の反応は冷ややかだ。プーチン首相は全くのノーコメント。ロシアメディアもほとんど報じていない。同首相が党首を務める「統一ロシア」はウェブサイトで「一文の価値もない」とバッサリ。「わけの分からない小さな賞が厚かましくも何とかしてプーチン首相にすり寄ろうとしている」とするロシア著名記者の評論を掲載し、遠まわしに「迷惑だ」と言っている。

一方、ロシアの人権団体は「中国自身が人権をひどく踏みにじっている。プーチンも同じ。そんな国から『平和賞』をもらうとはお似合いだ。この賞の国際的な価値をさらに貶めるだけ」と笑い飛ばした。同首相は7月に「民主化に貢献した政治家」としてドイツの民間団体から表彰されたが、内外からの激しい批判を受け取り止めになるという事件も起きている。

あとは首相本人が授賞式に出席するかどうかだが、同団体は「出席すれば余計に滑稽さが増すだけ。普通なら何とかして回避するがどう応えるかは本人にしか分からない」。また、別の政治評論家は「首相はとても困っているだろう。戦略的協力パートナーの中国との友情も大事にしなければならないが、いくらなんでも体裁が悪すぎる」と同情している。(翻訳・編集/NN)

  
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