「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23(2011)年10月25日 通巻第3457号 を転載

ウィキリークスは資金枯れ、機密漏洩活動を停止したおりもおり
中国では正確な経済データは「国家機密」だって

自由闊達な市場とは情報の透明性である。
カール・ポッパーはハイエクとならぶ自由経済を主唱したが、情報の透明性がないところに市場は育たない。

中国の国家統計局秘書室副主任の孫震は27件の「国家機密」を市場関係者に漏らしたとして、懲役五年の禁固刑を言い渡された(10月24日、多維新聞網)。
おなじく人民銀行(中央銀行)研究員の伍超明は、香港市場関係者に25件の機密を漏らしたとして懲役六年。

いずれもが小売り統計やGDPなど多くの経済データの「本物のデータ」を市場関係者に漏洩したことが「犯罪」ととられたのだ。それも真実のデータは国家機密だって。

はからずも、中国の経済データの公表される数字は「あんなもの、誰も信用していない」と李克強副首相が駐中国米大使に発言したことを、ウィキリークスによって暴露されたように、でたらめな数字が記者会見で公表されていた事実を逆証明する結果となった。

日本のエコノミストが中国経済予測を「常に」誤認するのは、中国人学者さえ信用していないデータに立脚して予測を組み立てるからである。

今回、判決でわかった機密漏洩手段は書類の持ち出し、管理のずさんさを物語るが、二人は報酬を香港などの経済セミナーなどに出席する「講演料」という名目で得ていた(ヘラルドトリビューン、10月25日)。

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何でも有りの中国ですから、こんなこと日常茶飯。驚いて騒いでも始まらないのデス。
そして事故、事故処理、マスコミ操作とすりかえの対日攻撃、反日キャンペーンは定石じつは中国のやっているプロジェクトはすべて同じではないのかダム工事も、運河も。新都心建設も、不動産投機も、ハイテクも、そして軍事力増強も、みんな張り子の虎、明日、大事故がおきて三峡ダムは決壊するのではないのか。いや中国経済そのものが決壊するおそれはないのか?
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