「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23(2011)年10月6日 通巻第3442号 を転載

レアアースを米国カリフォルニアでも本格生産の見通し

中国は、このタイミングで在中国米社の工場を鉛害と言って「操業停止」措置

10月4日、ワシントンで日米欧のレアアース担当があつまった会議が開催された。中国のレアアース独占、輸出禁止に如何に日米欧三極が連携しつつ、適切な対応ができるかを話し合った模様だ。

この席上で検討された議題がある。米国は一年以内にレアアース鉱山再開にこぎ着けられるという明るいニュースだ。
カルフォルニア州南部でネバダ州との州境に位置するパス山は、1950年代からレアアースの存在が多くの地質学者によって発掘調査され、げんにこの鉱山を昔から開発をしていたユノカルは、ここで80年代まで、カラーテレビならびに石油精製に用いるレアアースを生産していた。

今日、需要が激しいレアアースはハイテク製品の部品材料であり、液晶、エンジン用途などのエコ目的。中国の傲慢な禁輸措置により、レアアースのうちにいくつかは価格が十倍以上に跳ね上がっている。

当該鉱山は、その後、ユノカルがシェブロンに買収後、分社化され、現在はモリーコープ社が所有する。
同社幹部は「2012年に本格稼働させ、2013年には新らしい精製工場の造成しフル生産にはいる」とロイター香港支局のインタビューに応じている。

このタイミングを見計らうかのように中国上海市政府環境問題当局は、上海で操業中の米国企業ジョンソン・コントロール社に対して鉛害の懼れが強いとして工場閉鎖命令を出した。関連十四社にも閉鎖命令がだされる模様(ウォールストリートジャーナル、10月5日)。

いつものことながら中国の遣り方、嫌がらせにも品がない。

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