AFP news2011年03月19日を転載

【3月19日 AFP】アリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領の退陣を求めるデモが続くイエメンの首都サヌア(Sanaa)で18日、サレハ大統領支持の武装集団がデモ隊に発砲し、医療関係者によると少なくとも46人が死亡、400人以上が負傷した。サレハ大統領は同日、非常事態を宣言した。

目撃者によると、反対府デモの中心地となっているサヌア大学(Sanaa University)の広場で、サレハ大統領支持派の「殺人集団」が周囲の建物の屋上から、デモ隊に銃弾を浴びせたという。

AFP特派員によると、14歳の少年が、目の前で頭部を撃たれた。また、屋上から発砲していた6人は、建物に突撃したデモ参加者らによって、屋上から突き落とされたという。

デモ参加者の1人アフマド(Ahmad)さん(25)は「平和的なデモをしていたら発砲された。大統領が退陣するまでここを立ち退かない。たとえ死ぬとしてもだ」と語った。

この事件を受けてイエメンに対する国際的な非難が高まっており、イエメンを中東における重要な反テロ同盟国とみる米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領も、平和的な抗議行動を認め、反体制派勢力と対話の席につくようイエメン政府に呼びかけた。