「国民に非公開」だったはずのビデオ映像が、インターネットに流出した。
国としてみれば犯罪行為だから速やかに捜査するだろう。流通経路は限られているので、犯人特定はさほど時間はかからないと思う。だが、それを公表するかどうか。いや、犯人は逮捕されない可能性も高い。
4日午後10時ごろにアップされたと思われる動画に対して約7時間後の翌朝5時ごろまでには900件ほどの書き込みがあり、映像に寄せられたコメントのほとんどは投稿者や海保を称賛する書き込みで溢れていた。私も同様に書き込んだ。
犯人逮捕が公表された場合、世論はどちらに傾くか。その容疑者が犯罪行為を認めつつも、自身の信じる社会正義に基づいて行ったと、正々堂々と意見を述べればどうなるか。その社会現象は、新たな英雄伝説にもなりかねない。今の政府に犯人逮捕を公表する度胸はないだろう。だから、この犯人は特定されながらも逮捕されない可能性がある。逮捕するかどうかは世論の動向しだいか。
それにしても、こういうところの責任者というのはデジタルの取り扱いをどの程度に考えているのだろうか。
現場で撮影した映像が、船の中から海保に届けられ、そこから検察にまわされた。こういう極めて重要な記録の取り扱いは慎重に行われる。途中で破損したとか傷が入ってデータが消えたなどということは絶対にあってはならない。私がその取扱者なら必ずバックアップを欠かさず取る。用心を重ねて別のメディアにコピーする。今回漏洩したのは6本だが、倍あったとしても10分ほどでコピーできるのだ。上層部の手が及ばないところにコピーがあるのは十分知っていたはずだ。知らなかったとしたら、残念ながら間抜けとしかいえない。