暴動が絶えやまない支那だが、その性質は大きく変化してきた。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年1月16日 通巻第3859号 を転載

中国の抗議集会、デモ、暴動にまたまた変化の兆し
党幹部、政府、官、軍、警察への恨みで暴れるばかりでは能がない

1月10日に発生した(らしい)黒龍江省双鴨山市のバス爆発事故は原因が不明のまま、11名が死んで35名以上が重軽傷なのに負傷者名簿も入院先も発表されない裡に当局は一方的発表で事なきを得ようとしている。
これまでなら悲惨は事故は起きても「なかった」と言い張るのが地方党幹部の仕事だった。住民が抗議活動を始めたため、事故は一晩付せられたが公表された。

しかし公式発表は杜撰そのもの、双鴨山市のバス爆発は「自爆テロ」の疑いがあるが、当局は「犯人は高万峰で、死んだ。ほかに死んだ四人も身元不明」としただけ、現場に飛んだ新聞記者には「紅袋」が配給され、口封じを要請された。新華社記者など、この種の事故報道では率先し「報道しない側」に回る。

爆弾をどこから入手したのか、自爆テロに政治的意図があるのか、単に企業への不満の爆発なのか。地元の石炭企業が絡んでいるとネット上では憶測が行き交っているが、まだ真相は藪の中である。
かの温州市郊外の新幹線事故(2011年7月23日)がそうだった(誰も見てないと勘違いして当局は事故車両三両を穴を掘って埋めた。まさか写メールなどで現場中継されているなんて!)

雲南省昭南市で先週11日におきた地滑り事故では46名の死亡が確認されたが遺体引き取りは許されず、いきなり火葬された。遺族が抗議活動を続けている。

このように警察の発表、その捜査の遣り方に庶民が抗議するというデモや抗議活動が本格化しているのも、最近の特徴といえる。

 
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