政治と世論の乖離。なんか日本と似ている現象。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成22年(2010)12月3日(金曜日)通巻3149号 を転載 

陳水扁の息子は高雄市議にトップ当選。二位に数倍の票差
 「阿扁無罪」のシュプレヒコールのなか、陳前総統は台北監獄へ収監

12月2日、陳水扁前台湾総統は「汚職」による懲役二十年の服役のため、台北監獄へ移送、収監された。連戦の息子、連勝文銃撃事件のあとだけに通常四名の警察官護衛を八名に増やし、ものものしい警戒がなされた。

台湾の最高裁判所は11月11日に高裁の「無期懲役」を「懲役20年」としたため、最終的処分が決まっていたからだ。

陳水扁前総統の囚人番号は1020.収監された部屋は独房で1・2坪。
かりにも前国家元首をここまで冷酷無惨にあつかうのはシナ人の残酷さをみせつける特性であり、「国民党に逆らった政治家への復讐」の意味が込められている。敵を徹底的におとしめるのは古来より中国人の遣り方。しかし日本教育と情緒になじんだ台湾本省人には、理解を超える仕儀であり、深い同情が起こる。

27日に行われた台湾五大市長選は同時に市議を撰んでおり、高雄では陳水扁の息子、陳到中(31歳、無所属)に想像をこえる同情票が集中した。もちろんトップ当然だが、歴代一位、最年少候補、新人候補トップ当選という「三冠王」に輝き、台湾南部の人々が陳水扁下獄という政治環境に反感を示したのだった。

資料:
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