水俣病救済に6万5千人申請 県内4万3千人
水俣病特別措置法に基づく未認定患者救済の申請が7月末に締め切られた結果、最終的な申請者数が全国で6万5151人となったことが30日、熊本、鹿児島、新潟3県の集計で分かった。
このうち熊本は4万2961人。前回、未認定患者を救済した1995年の政府解決策の申請者数1万4753人の4倍以上となった。
7月は申請が急増。熊本の4945人をはじめ3県合計で7562人に上り、2010年5月の救済手続き開始以来、2年3カ月間に申請した人の1割以上を占めた。
今回の申請が95年の政府解決策より圧倒的に多かった要因について、熊本県水俣病保健課は政府解決策の申請受付期間が約5カ月間だった点などを指摘。「今回は期間が長かった上、大量の周知広報をすることができ、結果に表れたのではないか」としている。
最終的な類型別の申請者数は、生存者が一時金などを希望する給付申請が4万7978人(熊本2万7880人)。救済前に死亡した人の遺族からの一時金申請が349人(同284人)。医療費が無料になる保健手帳を水俣病被害者手帳に更新するだけの切替申請は1万6824人(同1万4797人)だった。
特措法は、救済手続き開始から3年以内をめどに救済対象者を確定すると規定。熊本県は「あまり時間はないが、来年4月までに対象者判定を終えるよう努めたい」と話している。(石貫謹也)