中国の新疆ウイグル自治区で、ウイグル人グループが漢人13名を殺害し、主犯のウイグル人に死刑判決が出た。
だが、その事件に至る動機は報じられない。おとなしいムスリムであるウイグル人が、なぜ漢人に対してこうした行動に出たか。その原因となる動機を報じるのが本来のニュースだろう。
中国共産党は長年にわたって、イスラム社会であるこの地域で宗教弾圧とウイグル人への虐殺行為を重ねてきた。罪を犯さなくてもいつかは殺される。死に方さえも選択できなくなったウイグル人たちの最後の抵抗といえる。「テロリスト集団を組織し」というが、単に同じ思いの者たちが寄り合っただけではないか。犯人は死刑となるが、おそらく公開死刑だろう。
チベットでは僧侶の焼身自殺や暴動が絶えない状態が続く。その責任は中国共産党にある。
中国ウイグル自治区襲撃事件、首謀者の男に死刑判決
[北京 27日 ロイター] 中国新疆ウイグル自治区カシュガル地区で2月に起きた襲撃事件で、同地区の裁判所は26日、事件を首謀したとして、ウイグル族の男に死刑判決を言い渡した。
事件は2月28日、同地区カルギリク県の人通りの多い路上で発生。ナイフを所持していた集団によって13人が殺害された。同地区では、多数を占めるイスラム教徒のウイグル族と漢民族との緊張が続いている。
ウイグル自治区のニュースサイト「天山網」によると、死刑判決を受けたのはAbudukeremu Mamuti被告。「テロリスト集団を組織し、そのリーダーとして、故意殺人を犯した」などとして死刑となった。
中国外務省は、今回の事件に関連して、同地区の平和的発展を破壊しようとする「暴力的なテロリストや分離主義者らの集団」の活動には、政府として断固反対する姿勢を示している。
一方、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、中国政府がテロ罪を利用して死刑に処すなどして、ウイグル族に対する取り締まりを強化していると非難している。
いつもながら中国政府の発表は、その意味を逆さまに捉えれば、だいたい真実に近づく。