現実にこうした問題を抱えている国がある。
Newsweek 2010年11月11日(木)15時20分 を転載
山田敏弘(本誌記者)
天的な色素異常で肌が白くなる白皮症(アルビノ)は、なぜかアフリカ東部に患者が多い。世界的には約2万人に1人がアルビノなのに対して、アフリカ東部では約3000人に1人だといわれる。
アフリカ東部では07年頃から、アルビノを狙った誘拐・殺人事件が頻発している。タンザニアの呪術医たちがアルビノの人肉は「権力や幸福、健康をもたらす」と主張しているため、「薬」の材料として高値で取引されているからだ。
これまでにタンザニアやブルンジ、ウガンダなどアフリカ東部で数百人が殺害されている。10月末には、タンザニア国境に近い隣国ブルンジの川で9歳のアルビノの少年の切断された遺体が発見された。
タンザニアの警察当局によれば、両手足、性器、鼻、舌、耳がそろっていれば8万ドルという高値が付く。このため、一獲千金を目指して隣国のルワンダやブルンジまで「アルビノ狩り」に行く者が後を絶たない。
タンザニアでは先月末の総選挙で、初めてアルビノの国会議員が誕生した。彼女は、隠れて生活する者もいるアルビノの救世主になれるだろうか。
—————————–
写真つき転載元記事