熊本県八代市坂本町で、地元住民たちの悲願であった新しい市道が開通した。昭和30年に荒瀬ダムができて以来、多い年には年4、5回、洪水で“陸の孤島”になることもあったという。生活と安全を願う住民たちの思いがかなった。
これが公共事業だ。
55年来の“悲願”市道開通 八代市瀬戸石地区
八代市坂本町の市道鎌瀬・瀬戸石線の開通を祝う式典が14日、地元自治会の主催で開かれた。これまで球磨川の増水で孤立することも多かった瀬戸石地区の住民たちは「荒瀬ダムができたころからの55年来の悲願が、やっとかなった」と喜んでいる。
工事は2001年度から10年度まで実施。同地区から鎌瀬地区の国道219号まで、総延長1017メートルの道を通した。総事業費は8億700万円。
式典には約30人が出席。瀬戸石地区自治会の宮坂茂盛会長(74)が「荒瀬ダムができて以来、多い年には年4、5回、洪水で“陸の孤島”になっていた。瀬戸石地区を救ってくれる道路がやっとできました」とあいさつし、福島和敏市長らとテープカットした。
宮坂会長は「洪水で5日間孤立したこともあった。急病人が出ないことを祈るしかなかった」と感慨深げだった。県営荒瀬ダムは、昨年3月にゲートを開放している。(和田毅)
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Panoramio Photo: 荒瀬ダム(熊本県八代市)
ウィキペディア: 荒瀬ダム