何があってもおかしくないが、まさに支那らしい政治的暗闘の一面だ。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成25(2013)年7月11日 通巻第3980号 を転載

王立軍、秦城監獄でとつじょ半身不随に
密殺か植物人間にして発言を封じ込め、薄煕来裁判を守旧派有利とするのか

博訊新聞網(7月10日)によれば、北京郊外の秦城監獄で服役中の王立軍が半身不随状態にあるとこが分かった。
神経疲労によるものとされているが、国家公安部筋が博訊新聞網記者に漏らした情報に寄れば「この一ヶ月ほど、突然の半身不随に襲われている」状況という。

王立軍は重慶特別市の副市長兼公安局長として、腐敗分子とマフィア退治に辣腕を振るったが、土壇場でボスの薄煕来と対立、2012年二月、多くのスキャンダルの機密、録音テープなど証拠をもって成都の米国領事館へ駆け込んだ。

この事件で薄煕来夫人の谷開来の英国人殺害が明るみにでて、薄の失脚へと繋がったため守旧派の恨みを買っていた。

おりから劉志軍(前鉄道部長、江沢民派)に死刑判決がでて、秋には薄煕来裁判が開始されるという絶妙のタイミングで最大の証人が、証言を出来なくなってしまった。

この王立軍の半身不随という突発事故を邪推すれば、王立軍を密殺か植物人間にして発言を封じ込め、薄煕来裁判を守旧派有利とする謀略とも考えられないか?

なにしろ何がおきても不思議ではない国。刑務所の中で何がおこなわれているか、誰にも分からないのである。

 


 
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