大きな社会問題として長く報じられてきたが、水面下で明らかにされていない部分はまだ多い。

くまにちコム 2011年07月01日を転載

水俣病、対象地域外の救済7割に 不知火患者会

水俣病不知火患者会の大石利生会長は30日、今年3月に和解した同会の集団訴訟で、水俣病特別措置法などが定める救済対象地域外の原告のうち、約7割が一時金対象と判定されたことを明らかにした。

同会が対象地域外で掘り起こした被害者70人が同日、水俣病特措法による救済を集団申請。申請後の会見で述べた。

同会の原告(3地裁計2992人)のうち一時金対象は9割以上を占める。大石会長は「(対象地域に比べると低いが)対象地域外でも7割が救済されたとみるべき」と指摘した。

訴訟や特措法による被害者救済で、対象地域外の救済者数などを行政側はこれまで公表していない。大石会長は人数や救済判定の理由には言及しなかったものの、「地域外にも多くの潜在被害者がいることを知ってもらうため、あえて割合を申し上げた」と話した。

この日、特措法による救済を申請したのは天草市などの対象地域外の男女。上天草市姫戸町の漁業浜崎孝廣さん(61)は「地域外だから無理だろうと思っていたが、周囲の人が救済され始めたので申請した」と話した。(石貫謹也)