「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成23年6月22日(水曜日)通巻第3354号

北朝鮮にハッカー軍団のプロフェッショナル、海外にも600名
すでに米軍指揮系統ネットワークを麻痺させる能力があると韓国が警告した

アルジャジーラが北朝鮮からのハッカー専門家で、韓国に亡命した人物に直撃インタビューをしている(6月21日付け)。

キム・ヒュンカンは北朝鮮の学校でコンピュータを学んだあと、特殊学校(サイバー戦争におけるハッカー養成学校)で教鞭を執った経験がある。合計十九年を北朝鮮のハッカー軍団で生きのびて2003年に北京経由で韓国へ亡命した。
キムは北朝鮮ではコンピュータの他、外国文献や韓国のテレビドラマの分析をしていたという。

キムによれば、中国、ロシアなど海外を含め、3000名のハッカー軍団が、いまでは北朝鮮にあり、さらに小学生の段階で数学に優秀な生徒を全國規模で選抜し、エリート養成をしている。そのうえに成績優秀な学生を選び、金日成大学などで二年間の特訓後、ロシアへ留学させるシステムとなっている。

また美林大学(現・自動化大学)が平壌に設立された。ここに、「フルンゼ軍事大学出身のロシア人教授25人を招き、講義を行った。毎年100人から110人のハッカー要員を輩出していた」と別の亡命者が証言している。
現在は学校数がもっと増加しており、鴨緑江軍事技術大学や国防大学、空軍大学、海軍大学などでもサイバー戦争の専門要員を教育養成中という。

韓国軍は2006年報告書で警告をしている。
「北朝鮮のハッカー部隊は、米軍太平洋司令部の指揮統制システムを麻痺させることが可能であり、米本土のコンピューター・ネットワークへ攻撃をかけることも出来る」

アルジャジーラによれば、300人からなるハッカー軍団が二個小隊ほどあり、合計600名が海外で暗躍しているとする亡命者の声も紹介している。

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