くまにちコム 2011年05月13日
チッソ社長に森田氏 8年ぶりトップ交代へ を転載
水俣病の原因企業チッソ(東京)は12日、森田美智男取締役(64)が社長に、増村正志取締役(61)が副社長に昇格する役員人事を発表した。両氏が代表権を持つ。6月29日に開く株主総会後の取締役会で正式決定する。後藤舜吉会長(76)は「水俣病問題の体験者としてしばらく残る必要がある」として代表権のない取締役最高顧問に就任。岡田俊一社長(70)は相談役に退く。
同社は、水俣病の補償を担うチッソと、液晶などの事業を行う100%子会社の「JNC」に分社化。森田氏はJNC社長、増村氏は同副社長をそれぞれ兼任する。
チッソの社長交代は8年ぶり。水俣病未認定患者救済をめぐり、今年3月に被害者4団体との紛争が終結。水俣病特別措置法に基づく事業再編(分社化)で患者補償と公的債務返済の枠組みが整ったのを機に、経営陣の若返りを図った。
都内で会見した森田氏は「先端化学企業で魅力ある製品をさらにそろえて収益向上に臨む。被害者救済が進む中、記憶を引き継ぐ者としてこれからもしっかりと責任を果たしていく」と語った。(渡辺哲也)
森田美智男氏(もりた・みちお)早稲田大卒。70年入社。シリコン部長、常務執行役員水俣本部長などを経て、11年1月から取締役兼JNC取締役専務執行役員事業再編管掌。群馬県出身。
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