くまにちコムを転載

3月25日の和解成立を不知火患者会訴訟

水俣病不知火患者会の未認定患者が国と熊本県、原因企業チッソに損害賠償を求めた訴訟の第9回和解協議が18日、熊本地裁であり、原告、被告双方は次回協議の3月25日に和解成立を目指すことで一致した。

非公開の協議後、会見した原告側の園田昭人弁護団長らによると、原告2494人のうち、和解の救済対象とするかどうかの判定が終わった人は約8割。残る約2割は救済対象地域に一定の居住歴がない人や、救済対象の世代より若い人、既に死亡した人だという。

原告側は和解成立までのスケジュールも説明。それによると、判定を3月上旬までに終え、結果をもとに地区集会などで原告の意見を集約する。被告側とも和解条項を詰めた上で、3月21日にも原告団総会を開き、正式に和解するかどうか総意形成を図るとした。

和解スケジュールは、同地裁が昨年3月に示した2010年内の成立がずれ込んでいる。環境省の西尾哲茂特別参与はこの日の協議後、「判定作業が膨大だった。年度内に解決するよう努力する」と強調した。(石貫謹也)

熊本日日新聞 2011年02月19日

関連情報
水俣病百科