街をきれいにする清掃を通じて、心を和ませ地域の交流を深める。これは昔から日本人が得意とする社会活動だ。

産経ニュース 2013.05.17 を転載

米基地清掃で友好の絆 神奈川県内の有志18人が来月沖縄へ

 
神奈川県大和市内などでボランティアの清掃活動を続けている有志18人が6月、沖縄県で米軍基地の清掃を行う。基地反対派が汚したフェンスなどをきれいにするといい、活動をまとめる自動車用品大手「イエローハット」の創業者、鍵山秀三郎さん(79)は「米国が怒って沖縄から出ていったらどうするのか。私はもう80歳だが、後世のためにも行動してきたい」と意気込んでいる。(小野晋史)

鍵山さんらは6月9日に沖縄本島で現地の協力者と合流。その日にキャンプ・シュワブ(同県名護市)周辺を、翌10日には普天間飛行場(同県宜野湾市)周辺を清掃する。

このうち同飛行場では、敷地を取り囲むフェンスにオスプレイの配備反対派らが勝手に赤いテープを巻き付けたり、赤い旗や反原発の横断幕を掲げるといった抗議活動を展開。こうしたテープなどは放置されたままゴミと化しており、ボランティアで取り除く周辺住民らとの間で、いたちごっこが続いている。

同飛行場周辺で「フェンスクリーンプロジェクト」を展開し、鍵山さんらと協力する同県浦添市の会社役員、手登根(てどごん)安則さん(49)は「景観を損ねているのに『テープをはがす方が悪い』と言う市議もいる中、今回の協力は非常にありがたい。そもそも、この抗議活動は(本土の)市民運動に利用されている」と強調する。

鍵山さんは以前から「清掃によって心が穏やかになる」との信念に基づいて全国で活動。小田急江ノ島線大和駅前で始めた清掃に米軍関係者が参加したことを機に、昨年11月からは厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)周辺の清掃もするようになった。

同基地周辺では毎回、日本側から数十人が、米国側からは同基地内で応募した45人が参加。米国側は若い下士官や家族連れなどさまざまで、スティーブン・ウィーマン司令官も常連となっており、同基地関係者は「周りがきれいになるだけでなく、活動を通じて日本の人たちとの交流が深まる。大変ありがたい」と歓迎する。

今年に入って手登根さんらの活動を知り、沖縄行きが決まったといい、6月に引き続き10月にも100人以上に呼びかけて再び沖縄での清掃を予定している。鍵山さんは「どんな考えであれ、世の中を汚すような人たちが他人の役に立つわけがない。一生懸命きれいにしてきます」と力を込めた。

 
リンク
フェンスクリーンプロジェクト(沖縄)