元陸軍少佐の小野田寛郎(おのだひろお)さんが1月16日、東京都内の病院で亡くなった。91歳。
小野田寛郎さんは、旧日本軍の陸軍少尉としてフィリピン・ルバング島に派遣され、その山中で戦後約30年間任務を続けた。昭和49年に探検家が小野田さんと接触し生存が確認されたことから、戦時中の上官が現地入りして「任務終了の命令」を下し、その後帰国した。
当時は日本中が小野田さんに注目し、テレビや新聞は連日小野田さんを追いながら報道した。だが、帰国から一年ほどしたのちブラジルに移住し、農場を営んだ。
後に小野田さんは、「日本は見違えるほど豊かになり、多くの人たちが自由に楽しく生きていけるようになったのは本当に良いことだ。でも、豊かで自由すぎて、生きるということを疎かにしてはいないか」と言われたことがありました。
豊かで自由な日本よりも、ブラジルの大地で懸命に生きている日本人社会に自分の生き場所を求めたのではないだろうか。
平成元年からは「小野田自然塾」を開設し、野外活動を中心にボランティアの育成などに尽力した。近年は都内で生活し、国内各地で講演を行っていた。
小野田寛郎の名言