5月24日から6月6日にかけて世界ウイグル会議のラビア・カーディル総裁をはじめ副総裁を含む代表団が来日し、それに合わせて大阪、東京、仙台でシンポジュウムが開催される。
弾圧と侵略を繰り返す中国共産党の統治によって、旧東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)から近隣諸国に政治亡命するウイグル人が増えているなかで、善意ある国の中で保護されるものもいれば、中共政府との政治的都合でウイグル人亡命者を中国に強制送還する国もある。メディアで報じられないこうした隣国中国の現状を知ることは、日中関係を考える上での重要な資料になるはずだ。
 
日本ウイグル連盟 お知らせ&活動報告 より転載
アジアの「孤児」-ウイグル政治亡命者の現状と日本の役割

日本ウイグル連盟主催シンポジウム
アジアの「孤児」-ウイグル政治亡命者の現状と日本の役割

現在中華人民共和国の「新疆ウイグル自治区」と呼ばれる地域は、ウイグル人をはじめとしたテュルク系民族が歴史と文化を育んできた「東トルキスタン」です。
近年、中国による弾圧を逃れ、近隣諸国に政治亡命するウイグル人が増えています。国際社会の善意によって、トルコや欧米に無事に逃げることができた亡命者はいますが、中国に政治的な配慮をするタイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ネパール、キルギスなどでは、多くのウイグル人亡命希望者が収容され、虐待を受け、強制送還されています。

2015年7月には、タイのバンコクの入国者収容施設に収容されていた109人のウイグル人が、中国に強請送還されました。強制送還された人々は、ほぼ確実に投獄され、その後無期懲役か死刑にされる怖れがあります。
国際法では、生命や自由が脅かされかねない人々を「追放したり送還することを禁止する原則」があります。これら中国の近隣諸国は国際法を犯して、中国政府との政治的な駆け引きのためにウイグル人亡命者を利用しているのです。

今回のシンポジウムでは、ウイグル人政治亡命の実態と、救済作業の現場のレポートを報告致します。
また、大阪会場では、教育の場からウイグル語の追放が進行中である現状について、仙台会場では、中国沿岸部へと強制的に移送されているウイグルの若い女性たちの現状についても報告致します。
ご参加、ご協力頂けますよう、よろしくお願い致します。

【登壇】
ラビア・カーディル(世界ウイグル会議総裁)
セイット・トゥムテュルク(世界ウイグル会議副総裁)
ウミット・ハミット(世界ウイグル会議副総裁)

ラビア・カーディル(世界ウイグル会議総裁)

ラビア・カーディル(世界ウイグル会議総裁)

ラビア・カーディルはウイグル人の母とも呼ばれる、ウイグルの人権運動家及び指導者である。
中国では有名なウイグル人実業家であった。ウイグルの貧しい子供の教育のために無償の学校を開き、ウイグル人女性の経済的自立のために「千の母運動」を始めた。このような社会活動が中国政府に高く評価され、1992年には中国政治協商会議の委員に任命された。
政治的な立場を得たラビアは、ウイグル人の人権状況の改善を中国政府に対し積極的に訴えるようになったが、これを理由として失脚し、更に1999年には国家機密漏洩罪で逮捕、投獄された。
2005年にアメリカに亡命した後は、世界ウイグル会議の総裁に任命され、世界各国ウイグル人の人権運動を広く展開している。2006年以降は何度もノーベル平和賞の受賞候補者に選ばれている。2004年ラフト人権賞、2015年にトム・ラントス人権賞を受賞した。

セイット・トゥムテュルク(世界ウイグル会議副総裁)
1964年にアフガニスタンのウイグル人亡命者の家庭に生まれ、トルコ移住後はカイセリのウイグル村で育つ。トルコはウイグルとは兄弟民族の国であることもあり、セイットらウイグル人の積極的な活動によって、様々な面で支援を受けるようになった。東トルキスタンから亡命してくる、パスポートを持たないウイグル人達に、国籍を取らせ、仕事の斡旋をするなどの支援活動も行っている。2006年に世界ウイグル会議副総裁に選出された。2008年からは日本で世界ウイグル会議の活動を行うための、ウイグル人組織の設立と運営指導に携わっている。日本ウイグル連盟理事を務めている。

ウミット・ハミット(世界ウイグル会議副総裁)
東トルキスタンのウルムチ市出身。新疆師範大学で心理学を学んだ。1988年ウイグルで起きた学生運動の指導者として活躍。卒業後はウルムチ市第五中学校の教師を4年間勤めた。その後、中国公安当局の監視対象となり、逮捕直前にヨーロッパに亡命した。ヨーロッパ東トルキスタン連盟などの会長を務め、東トルキスタン青年大会、ヨーロッパウイグル研究センターを創設するなど、ヨーロッパでのウイグル民族運動を牽引してきた。長年に渡って世界ウイグル会議の研究センター主任を務めてきたが、2012年には副総裁に選出された。

大阪シンポジウム
日時 2016年5月28日(土) 18:00開場
会場 大阪大学中之島センター 10F 佐治敬三メモリアルホール
参加費 1000円
東京シンポジウム
日時 2016年6月2日(木) 16:30開場
会場 参議院議員会館 1F 講堂
*東京会場では事前申し込みが必要になります。当日ロビーにて入館証をお渡しします。
参加費 無料
申込先 e-mail:info@uyghurjapan.org
携帯:080-4196-8973
仙台シンポジウム
日時 2016年6月4日(土) 13:00開場
会場 青葉城本丸会館
参加費 1000円

リンク
日本ウイグル連盟 Official Site
日本ウイグル連盟(facebook)
日本ウイグル連盟(twitter)

資料
有本香が解説する「ウイグル問題」

140401有本香アンカー Full 投稿者 methane_hydrate_of_Japan