中央日報日本語版 2010.10.16 から転載

中国の元老知識人23人が最近発表した「言論の自由要求公開書簡」が少なくない波紋を起こしている。

反体制人物である劉暁波氏のノーベル平和賞受賞に合わせて発表されたこの書簡は、「1982年に改正された中国憲法35条は人民の言論・出版・集会・結社の自由を保障しているが、過去28年間、現実世界では全く守られなかった」と指摘した。また「最近、温家宝首相が政治改革の必要性と緊急性を繰り返し力説したが、中国報道機関は共産党中央宣伝部の‘黒い手’に操られて沈黙で一貫した」と批判した。

書簡の作成には毛沢東の秘書出身で中央組織部常務副部長を務めた李鋭氏、人民日報元社長の胡績偉氏、新華社通信副社長出身の李普氏らが参加した。こうした重鎮が書簡を載せたインターネット サイトには初日の一日だけで476人が実名で支持の意思を表した。これに刺激されたのか、中央と地方の有力新聞が一斉に温首相の政治改革発言を支持する記事を載せている。目を引く事態の進展だ。

フリーダムハウスの評価によると、アジアで中国より言論の自由が劣悪な国は北朝鮮とミャンマーだけだ。言論に対する広範囲な検閲と統制が形成されていて、党指導部に対する批判的な記事やチベットとウイグル少数民族、台湾独立、法輪功問題などはタブー事項とされている。主要懸案については報道指針が施行されていて、少なくとも30人の言論人と68人のインターネット論客が拘禁状態にあると知られている。

中国のネット利用者は3億6000万人にのぼる。一人ひとりを監視して統制するというのは現実的に不可能だ。西欧式の民主主義と違う中国式の民主主義のためにも言論の自由は必須条件だ。共産党一党支配と言論の自由は両立が不可能なのではない。経済と政治の発展の不均衡が無制限に続くこともありえない。ちょうど中国共産党第17期中央委員会第5回総会が昨日開幕した。言論の自由を含む政治改革に関する深い議論を期待したい。

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